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ウイグル7-2・カラクリ湖への道

7日目(9/24)
カシュガル→カラクリ湖
カラクリ湖畔泊


カラクリ湖をご存じだろうか。

ウイグル自治区の西端に位置するカシュガルから、さらに西へ、パキスタンへと繋がるカラコルム・ハイウェイを走ること200km。地図で見るとタジキスタン国境に程近い場所にある。海抜約3,600m、パミール高原に連なる万年雪を湛えたムスターグ・アタやコングール・アタを正面に望める。

カラクリ湖のことは実は全く知らなくて、ツアー日程に入っているけど何処だろう?位にしか思っていなかったが、カラコルム・ハイウェイを走った先にあると知って俄然テンションが上がった。このカラコルム・ハイウェイを通ってパキスタンのフンザまで行きたいとずっと思っているのだ。計らずも、いつか必ず!と思っていた道の途中までを行くことになったが、カラクリ湖までの道中の景色もやはり、素晴らしいものだった。そこから先の道も是非行ってみたいと改めて思う。きっと凄い景色の連続だろう。次は日本からカシュガルまで飛んで、パキスタンまで抜けるか。それとも、カシュガルに到着するまでの途中、チベットから道が繋がっていると聞いた。チベットの西にはチベット仏教の聖なる山カイラスがある。カイラスをコルラして、カシュガルを抜けてパキスタンまで、ずっと陸路で行くのも面白そうだ。さすがにそれは何週間もかかるだろうから、残念ながら現実的ではないけれど。
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写真上:ポプラと山とでかいのに小さく見えるトラック。この感じがいい。下:トイレ休憩していたらガイドさん&ドライバーさんが砂漠ナツメの実を集めてぱくついていた。小さい頃よく食べたらしい。ドライバーさんが近所の男の子に「明日もここを通るから、砂漠ナツメ集めておいて。買い取るから。」と交渉中。

カラクリ湖へ行くには、チベットを旅した時のように旅行証が必要で、公安の検問を通らないといけない。ベテランガイドさんは落ち着いたものだが、それでもやはり緊張感がある。
検問を抜けてしばらく走ると、まず見えてくるのは赤い山。そして黒い山。縞模様の山。カラフルな地層が複雑に隆起した山々が立て続けに表れる。うーん豊富な鉱物資源。
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写真:雪山も見えてきた。

休憩で止まったところでは、羊を連れた羊飼いがあっという間に通り過ぎて行った。一度でいいから、この放牧に同行してみたいなぁ。足手まといだろうなぁ。
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写真上:左に見えるのは、ちょっとした売店、下:ロバもいた。ロバ好き。彼らはずっと、伏し目がちにカメラ目線なのだ。

更にぐんぐん標高を上げていくと、ブロン湖に到着した。車を降りると、風が刺すように冷たくなっていた。このブロン湖や周辺の川底には砂が溜まっていて、強い風で吹き上げられた水底の砂が、向かいの山にせり上がるように積もっている。ちょうど太陽が出てきて、高所特有の強い日差しに照らされた砂山と水面が輝いて、なんか神様でも降りてきてもおかしくないような眺めだった。この後行ったカラクリ湖よりも、よっぽどすごい景色だと思うが、恐らくあまり知られていない場所だろう。きっとこんな凄い景色が、そこらじゅうにあるのだろうなぁ、この国には。そしてガイドさん曰く、この砂山は数年後にはダムの底に沈むらしい。そうやって消えた景色もきっと沢山あるのだろう。もちろんこの国だけのことじゃないだろうけど。でも。タクラマカンには油田を開発し、いたるところに巨大なダムを造り電力を生み出し、内モンゴルや、ここウイグルにも豊富な鉱物資源を有する中国は、どこへ向かっているのだろう。私が働く分野でも中国の台頭は目を見張るものがある。底知れぬ怖さを感じる。怖い。マジ怖い。
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写真上:こんな写真じゃなんにも伝わらない(涙)下:トラックが道を造っている。

そういえばチベットで、「高い所ってなんかまた来たくなりますよね。」とyamaさんに言われて、その時はそうかな?そうかも?くらいだったけど、今回、「ああ、確かに」と納得した。なんというか、あの空気がピンと張り詰めた感じが癖になるのかもしれない。それは空気が薄いせいなのか、乾燥のせいなのか、気温が低いせいなのか。いずれにせよ、絶景があるのは確かだ。
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写真:良い草場なのだろう、沢山の家畜が放牧されていた。すぐそばを流れる小川は、川底がくっきり見えるほど透き通っていて、水はとても冷たい。

カラクリ湖に到着すると、静かな湖面と真っ白い山が見えた。昨日の夜には雪が降ったらしい。日が差している間はまだ温かいが、日が落ちてくるにつれて急激に冷え込んでくる。私たちの他にはフランス人の団体がいたが、あまりの寒さに宿泊せずに帰ってしまった。ここら辺はウイグル自治区とはいえ、キルギス族が多く暮らすそうだ。宿泊したパオもキルギス族のものらしい。ガイドさんが手早くパオのストーブに火を入れてくれた。今晩はこのパオに男女分かれて雑魚寝である。
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写真:上三枚横に繋げるとパノラマ写真になります。きっと。下:夜のお月様。
by mmiya2008 | 2010-12-13 21:24 | Uighur